今月は久しぶりに中国へ出張してきました。
コロナ前の2019年12月末以来でしたので、ほぼ5年ぶりです。
香港から入り、広東省内では深圳、東莞、広州、恵州、汕尾、それから飛行機や
高速鉄道で移動して寧波、上海を駆け足で回ってきました。7泊8日で6箇所に宿泊という
少しハードな日程でしたが、連日連夜の飲酒にもかかわらず体調を崩すこともなく、
無事に帰国することができました。·
現地各所のビジネスパートナーたちとの久しぶりの再会や、コロナの間に新規に
取引が始まったいくつかの工場への訪問など、実に充実した滞在となりました。
このところ、中国の景気後退がよく報道されています。
以前であれば日本の報道と現地の様子とのギャップがかなり多く、日本での
ネガティブな報道の一方、現地は活気に満ちているといったことがよくありました。
そこで今回はどうなのだろうと思っていたのですが、全体的に街が静かだったな
というのが正直な印象です。
これが景気後退によるものなのか、私自身しばらく日本にいて感覚に変化が
あったからなのかは分かりませんが、いずれにしても以前いつも感じていた周囲の
騒がしさがかなり収まっているように思えました。
中国の輸出相手国の1位はアメリカで、弊社の生産委託先も含めてアメリカ向けの
製品を生産している工場が多いのですが、アメリカが前トランプ政権から中国製品に
段階的に課している追加関税に苦しむところが多く、早々に中国生産をあきらめて
ベトナムへ工場を建てて生産し、ベトナム製としてアメリカに輸出している
中国企業がたくさんあります。
そのようなことも今回感じた街の静かな雰囲気に影響があるのかもしれませんが、
数千人規模の工場でもさっと閉めてすぐに海外へ工場を建てて短期間で稼働させて
しまうという中国企業のたくましさとスピード感をあらためて感じているところです。
また、中国のデジタル化の早さは相変わらずで、5年前には既にコンビニで顔認証での
支払いが可能になっていましたし、今回多くのマンションのロックも外門や各棟の玄関も
全て顔認証になっているのに驚きました。
アリペイやウィーチャットペイなどの決済アプリでの支払いもおそらくほぼ全ての
ところで可能になってるようで、今回の滞在では小さなローカル店も含めて1元も
現金を使いませんでしたし、現金で支払いをしている人を1人も見かけませんでした。
また、泊まったいくつかのホテルには、日本のレストランなどで見かける配膳ロボットの
ようなものが1階のフロント近くに設置されていて、外のレストランなどに宿泊客が
注文した出前を受け取ると、自分でエレベーターに乗って客室まで運んでいました。
今回の出張での最後の滞在は上海でした。現地の取引先が出展する展示会を見学した後は、
現地に赴任している学生時代の友人と久々に会って食事を楽しみました。
16年ぶりに訪れる上海は大きく様変わりしていて、写真のような綺麗な夜景に圧倒される一方で、
少し裏通りに入ると昔からの街並みを見ることができて少しホッとしたりもしました。
先日の衆院選では与党が自公で過半数割れとなり少し先の読めない雰囲気の中、
アメリカ大統領選もすぐに控えています。あちこちで終わらない紛争やいつ起こるか
分からない自然災害、進む円安など、不安要素を挙げるときりがありませんが、
目の前の一つ一つの仕事に集中しながらも、新しいビジネスの構築など将来のための
準備も着々と進めていきたいと思います。